(はじめに)
BNPはブタの脳から最初に単離されたが、ヒトにおいては脳だけではなく心室筋で最も多く合成・分離されている。その後の研究からBNPが心機能をよく反映し心不全の診断、経過、予後を評価するきわめて鋭敏な指標となることが示された。
従来、BNP測定はRIA法で行われてきたが、酵素免疫測定法(EIA)を原理とするBNPが開発された。これまでは依頼件数も少なく外注検査にて対応していたが、患者心筋障害情報を迅速に報告する目的として当検査センターでのBNP測定を導入した。
(方法)
試薬はEテスト「TOSOH」・(BNP)を用い、全自動エンザイムイムノアッセイ装置AIA・600・
(TOSOH社製)にて測定した。
原理は高親和性モノクロ−ナル抗体を用いた・ステップサンドイッチEIA法
(対象)
当検査センターにBNP測定依頼のあった検体
当検査センター職員検体
検体はEDTA加血漿を用いた。
(結語)
基礎的検討は良好な成績を示した。BNPは心機能を把握するマーカーとしてすぐれたものであり、分析時間も約20分と短く緊急検査、診察前検査としての利用も可能と思われる。